花粉症の病院治療
花粉症の対応は、花粉の飛散時期が近づいたら、早めに近所の病院を受診する事が、簡単で早道だと考えています。
ただ、自分が本当に花粉症なのか、何の花粉に反応しているのかを知る事は重要です。
それはハウスダストに反応しているのに、花粉に対する対応をしても意味がないからです。
自分が何に反応しているのかをまだ知らない場合には、まず、病院で「血清抗体検査」を受けましょう。
これは簡単な採血で、血液中のIgE抗体量と原因となっている花粉の種類を特定する事が出来る検査です。
因みに私の場合は「スギ・オオアワガエリ・ハルガヤ」で陽性が出ました。
この結果から居住地域にもよりますが、
- スギは2月~4月
- ハルガヤは4月~7月
- オオアワガエリは5月~8月
1年の内の7ヶ月も花粉の飛散に注意しなければならない事が判ります。
ただ、スギ以外はそれほど反応が高い訳ではないので、一番反応の高いスギに対して重点を置いて対策しておけば良い事に成ります。
アレルギー性鼻炎に対するレーザー治療
アレルギー性鼻炎に対するレーザー治療は、20年以上前から存在しています。
しかし、一般に普及しなかった理由の一つとしては、治療の目的が鼻粘膜の炭化・蒸散(切除に相当する治療)にあったため、治療時間・治療後の経過・疼痛・副作用と、得られる効果のバランスが著しく悪かったからではないかと言われています。
従来のレーザー治療
1980年代前半には、肥厚性鼻炎に対する鼻粘膜レーザー焼灼術の論文が現れてきます。
発想は物理的な閉塞をきたす肥厚した粘膜を、レーザーで焼いてなくすことで、鼻づまりを取るという極めて単純、かつ合理的な発想です。
それまでの切除手術と比べ短時間に出血量を抑え、外来で治療を行えるという利点で注目を集めました。
しかし、問題はこの術式をそのままアレルギー性鼻炎(肥厚性鼻炎ではありません)に応用してしまった事です。
鼻粘膜がなければアレルギーが発症しないという発想です。
この治療は片鼻15分以上で、なおかつ治療後の完全な鼻閉が1週間程度、術後救急外来受診が必要なほどの鼻出血が生じる可能性がある事や治療後1ヵ月までは、鼻から黒いカサブタがポロポロ取れてくるなどの状況でした。
問題はこの治療でも、有効率が60%程度であったことだと思います。
治療後1ヵ月近くダウンタイムがあり約40%の人が効果に対して満足な結果が得られない状況で、2回目の治療を希望する方は少なく、また侵襲の高い治療を施した医師も治療に二の足を踏んだ事だと言われています。
一般的なレーザー治療の実際
- 麻酔は1分位
- 治療時間は2~3分
- 治療後の効果は一週間ほどで現れます。
- 治療後2週間経過した頃に確認の診察。
※予約制を取っている場合が多い様です。
※費用は保険適用3割負担の場合で6~7000円程度
※詳細に付いては専門医にお尋ね下さい。
舌下免疫療法
日本で一早くこの治療法を導入したスペシャリスト・大久保公裕先生(日本医科大学耳鼻咽喉科主任教授)によると、画期的な治療法とは「舌下免疫療法」と呼ばれるもので、スギ花粉を抽出して作った花粉エキスをパンに含ませて口に入れ、体内に花粉を吸収し、身体を慣らしていく治療法です。
通常、鼻から花粉が入ると、免疫細胞はこれを外敵と判断し、IgE抗体を作り、花粉に対する拒絶反応を引き起こしますが、同じ花粉でも、舌下から吸収すると免疫細胞は強い拒絶反応を起こさないという性質を利用したもので、口から継続的に花粉エキスを取り入れ、免疫細胞を花粉に慣れさせていくと、鼻から花粉が入ってきても、IgE抗体の働きを抑制する物質が出て、拒絶反応が起きなくなります。
花粉が飛び始める前の11月から翌年4月まで定期的に2年ほど続ける舌下免疫療法で、治験の段階で8割の方の症状が改善したと言います。
現在、舌下免疫療法は臨床試験と一部の診療所での自由診療に限って実施され、2014年の正式認可を目指し、着々と準備が進められています。
出典:テレビ東京「たけしの健康エンターテイメント!みんなの家庭の医学」(2010年1月4日放送)